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患者様向け
[前立腺肥大症] 前立腺肥大症の新たな選択肢 経尿道的水蒸気治療(WAVE)開始

前立腺肥大症の新たな治療 経尿道的水蒸気治療が2022年9月1日から保険適用となりました。

坂泌尿器科病院では、保険適用後 日本初で治療装置のRezumを導入します。

その概要についてお知らせさせていただきます。

 

[ポイント]

・前立腺肥大症とは、前立腺が肥大し尿道が圧迫されて排尿障害をきたす病気

50歳代の男性は30%、80歳以上になると8090%が前立腺肥大症に

・治療は薬物療法と外科的手術

・外科的手術は経尿道的前立腺切除術(TUR-P)、経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP)が主流

外科的手術でより侵襲性が低い手術 経尿道的水蒸気治療(WAVE)が202291日保険適用

 

[概要]

今後の高齢化社会の中で、前立腺肥大症を抱える方は益々増加し、様々な様態に合せた治療の選択肢が必要となると考えています。

厚生労働省の患者調査によると、総患者数は平成217.2万人に対し、平成14年には39.8万人、平成29年には47.3万人となっております。

前立腺肥大症は男性泌尿器科疾患の中で最も患者数の多い疾患であり、年々増加傾向を示しています。

これまでの前立腺肥大症の治療では、合併症の有無や併用薬の内容により手術が困難な方や、長期間の薬物療法が奏功しない方もあり新たな治療が求められていました。

令和491日から経尿道的水蒸気治療(WAVE)が保険適用になり、これまでの外科的治療が難しい方や、薬物療法であまり効果がでない方向けに治療を提供できることになりました。

従来の経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP)よりも体感的な改善はやや劣るものの、より低侵襲で合併症の少ない治療となるので、新たな選択肢として提供していきたいと思います。

 

[経尿道的水蒸気治療(WAVE)の治療]

水蒸気を用いて低侵襲かつ異物を体内に残さず前立腺を治療する。

 

治療装置は、Boston Scientific社(アメリカ)のRezumを使用します。海外では20か国以上がすでに導入している治療法で、20211013日付で日本での薬事承認がされました。

手術は、内視鏡で前立腺までのルートを確保し、肥大した前立腺に103℃の水蒸気を9秒間噴霧し、前立腺組織を70℃まで上昇させ組織を壊死させます。その後壊死細胞は体内で自然吸収され、尿道の圧迫を緩和し排尿障害を改善する治療となります。

手術時間は15分程度で終了し、麻酔を利用することで痛みはほとんどなく、かつ出血もほぼないため身体への負担も少ない治療となっています。

https://saka-uro.or.jp/sick/prostate_hypertrophy/index_rezum.php