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間質性膀胱炎の患者さんは日本では推定25万人といわれ、その90%は女性で、40歳以降に多い傾向にあります。 ばい菌が原因の細菌性膀胱炎と違い抗生物質では治りません。また、頻尿や尿失禁の治療薬(抗コリン剤など)もほとんど効果がないのが特徴です。
諸説ありますが、いまだ原因が解明されていません。膀胱粘膜のバリアが障害され尿が膀胱に浸み込みやすくなっているためではないかともいわれています。
まず以下の場合は、間質性膀胱炎が否定されます。
以上の条件が当てはまらなければ、内視鏡カメラを用いて膀胱の内部を確認する膀胱鏡検査を行います。 しかし、痛みを伴う場合がありますので、一般的に麻酔をかけて検査を行います。
膀胱鏡検査では膀胱に水を注入しながら膀胱内を観察します。 麻酔がかかっていれば痛みはないので強制的に膀胱を膨らませることができます。 すなわち縮んでしまったゴム風船に空気をたくさん入れて大きく膨らませれば風船は少し伸ばされて 大きくなることと似ています。このとき膀胱内に出血が認められれば診断はほぼ確定されます。この治 療は現在保険が効き、有効率も50%以上で6ヶ月から1年程度効果が持続します。 当院で治療を受けていただいた患者さんも膀胱水圧拡張術を行い、痛みがなくなったと喜ばれています。
膀胱水圧拡張術ほど効果は期待できませんが、薬物療法としては抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、 抗アレルギー剤などの内服や種特定の薬剤の膀胱へ注入(ヘパリン、リドカイン、DMSOなど) する方法があります。また尿をためる訓練(膀胱訓練)や刺激物摂取を控える(チーズ、赤 ワイン、アルコール、かんきつ類、炭酸飲料、香辛料、コーヒーなどカフェインが含まれる もの)ことが有効な場合があります。最終手段として手術的に腸管を使用し て膀胱を広げたり、膀胱を摘出する方法もありますが、特殊な場合のみ行われます。