医療法人社団 北腎会|坂泌尿器科病院

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前立腺がんとは


前立腺癌は、前立腺という臓器にできた悪性腫瘍になります。 前立腺癌も他の悪性腫瘍と同じように、リンパ節転移や他臓器転移をおこしたり、治療後に再発することがあります。 早期に発見・治療をすれば根治も可能な病気です。 癌が前立腺だけにとどまり、他の臓器への転移がなければ、手術や放射線治療などの適切な治療を行うことで、10年生存率80%以上が期待できます。 前立腺から離れた場所に転移している場合は、5年生存率が45%になりますので、 早期発見・早期治療することが大事となります。


前立腺がんの特徴


前立腺癌は、高齢になるほど罹患率が増えるということと、進行がゆっくりしている場合が多いという特徴があります。 癌統計から予測される患者数も、年々上昇しています。

前立腺がん


年齢別に調べてみると、60歳以上でその数が急激に増加します。

前立腺がん


ホルモンのバランスの変化が原因ではないかと考えられていますが、詳しいことは分かっていません。 前立腺癌は早期では自覚症状がほとんどありませんので、早期の発見・治療のためには血液検査でPSA値をチェックするのが、一番簡便な検査となります。 50歳を過ぎたら、定期的に検診などでPSAを測定することをお勧めします。 血縁者に前立腺癌の方がいる場合は、そうではない人より前立腺癌になる確率が高いといわれています。 家族の中に前立腺癌になった方が何人もいる場合、またその方が50歳くらいといった比較的若い時期に前立腺癌を発症している場合は、さらに注意が必要です 血液中の男性ホルモンの濃度の違いから、前立腺癌になりやすいのは、黒人種、白人種、黄色人種の順であるといわれています。 しかし、同じ黄色人種でも、ハワイ在住の日系人では日本在住の日本人よりも前立腺癌が多いという報告があり、 PSA測定をうけた人の割合とともに食習慣や生活環境の影響もあると考えられます。 前立腺癌は前立腺の辺縁(尿道から離れた部位)に発生することが多いため、早期ではほとんど自覚症状はありません。 一方、前立腺肥大症は前立腺の尿道に近い部位に発生することが多く、比較的早期に尿道が圧迫され排尿障害の症状が出ます。


前立腺について


正常な前立腺はクルミほどの大きさで、弾力があり、表面は滑らかです。 癌ができていると、前立腺にしこり(硬結)が触れ、進行すると大きく、表面がごつごつして、石のように硬くなっています。 前立腺肥大症の場合も前立腺は大きくなりますが、表面は滑らかで弾力があるので、癌と区別することができます。 前立腺癌の中には、PSA値が上昇しないものもありますが、そのような癌も、直腸診で発見されることがあります。 PSA検査と直腸診を併用することで、前立腺癌発見の精度をより高めることができます。


前立腺がん





前立腺がんの検査


前立腺がんの検査は、血液検査、直腸診、画像診断の結果をうけて、前立腺の組織を採取し病理診断をする前立腺針生検をを行います。

前立腺がん




1.血液検査(PSA)
採血をして血液中のPSAという物質の量を測ることができます。 PSA(前立腺特異抗原)は前立腺から分泌(精液中に放出される)されている物質です。 正常な方の血液の中にもわずかに含まれていますが、前立腺に異常があると濃度が高くなります。 前立腺癌がある場合も鋭敏に数値が上がるため、癌をチェックする有効な指標として使われています。 PSA基準値は一般的に年齢を問わず1mL中に4.0ng以下であれば正常とされますが、次の表のような年齢階層別のPSA基準値を用いてもいます。


前立腺がん


非常に有効な検査ですが、PSA値は前立腺癌以外の異常(前立腺肥大症、前立腺炎など)でも上昇するため、PSA値が高い方すべてに癌が発見されるわけではありません。また、PSAが正常値であっても癌が発見されることもあります。1回で判断ができない場合は、時間をおいて数回測定し、数値の変動を見る場合もあります。


2.直腸診
肛門から直腸に指を入れて、腸の壁越しに前立腺を触ります。前立腺の大きさや表面の凹凸、硬さ、弾力性、押したときの痛みがあるかどうかなどを調べます。 正常な前立腺は、クルミほどの大きさで、弾力があり、表面は滑らかです。 がんができていると、前立腺にしこりや、表面がゴツゴツして石のように硬くなっています。


3.超音波検査(エコー)
PSA検査や直腸診で異常を認めた場合、超音波検査で前立腺を観察することがあります。 さらに、肛門から専用の超音波プローベを入れて、前立腺の内部構造を詳細に観察し、 指で触れた硬いものが本当にがんなのかどうかを識別したり、前立腺のどこにがんがあるかを推定したり、前立腺の大きさを測ったりします。。


4.前立腺針生検
前立腺に癌細胞があるかないか、細い針で前立腺の組織の一部を採って顕微鏡で調べます。 直腸から超音波検査の器具を入れて前立腺の位置を画像で確認しながら、必要な場所に針を刺して組織を採取します。 会陰部(肛門の手前)から針を刺す場合もあります。当院では、14~18か所から採取し検査をしています。 前立腺針生検の検査は、1泊2日の入院検査としており、麻酔を併用するため痛みはありません。 採取した組織を調べ、癌細胞が存在することが確認された場合に初めて、前立腺癌と診断されます。



5.画像診断(CT、MRI)
癌がどれくらい拡がっているか、転移がないかを調べるために、CT MRI検査などの画像検査を行います。 患者さんの状態に応じて、必要な検査を選んで行います。この検査結果によって、がんの進行度が分類されます。


6.骨シンチグラフィー
癌が骨に転移していないかを調べる検査になります。 病変のある骨に集まる性質を持つ放射性物質(体内にほとんど害がないもの)を静脈に注射し、3~4時間後に特殊なカメラで撮影して画像にします。 全身の骨を観察することができ、撮影時間は20分ほどで終了します。 当院では検査機器がないため、近隣の施設に検査を依頼しています。


前立腺がんの診断


1.病期診断
癌がどれくらい拡がっているか、転移がないかを調べるために、CT MRI検査などの画像検査を行います。 患者さんの状態に応じて、必要な検査を選んで行います。この検査結果によって、がんの進行度が分類されます。

前立腺がん


癌の進み具合は、病期(ステージ、浸潤度、進行度)と呼ばれ、一般に「TNM分類」という分類法が使われています。 T、N、Mの文字を使い、

T(Tumor=原発腫瘍)→前立腺で癌がどれくらい拡がっているか
N(Nodes=所属リンパ節)→リンパ節に転移があるかどうか
M(Metastasis=遠隔転移)→骨、肝臓、肺など、前立腺から離れた他の臓器に転移があるかどうか

さらにそれぞれが細かく分けられています。 画像検査によって、病期を診断します。 治療によって完治が期待できるかどうかは、癌が前立腺の中にとどまっているかどうかが重要なポイントになります。 前立腺の中にとどまっていれば、手術や放射線治療などで完治を目指すことができますが、 他の臓器に転移がある場合は完治を目指すことはできません。つまり、完治が期待できる「早期がん」は、T1~T2のN0 M0 ということになります。

2.悪性度診断(グリソンスコア)
前立腺癌の悪性度は、癌の組織を顕微鏡で見た時の形や並び方が、正常な組織とどれくらい異なっているかで判断されます。 正常な組織と異なるほど悪性度が高くなります。前立腺癌ではこの悪性度を「グリソン分類」という分類法で表します。 この分類法は、癌の組織の形や浸潤増殖様式を1~5の5段階に分類してスコア(点数)化し、 採取した組織の中で最も面積の大きいパターンとその次に大きいパターンの点数を合計して「グリーソンスコア」を算出します。 このスコアが高いほど、癌の進み方が速く悪性度が高いと考えられます。 根治治療が期待できる限局性前立腺癌に対する治療の選択には、PSA値、生検グリソンスコア、臨床病期を組み合わせたリスク分類が用いられ、 当院ではNCCNの前立腺癌ガイドラインを使用して判断しています。 それぞれのリスクと身体的状況に応じて、PSA監視療法、外科療法、放射線療法やホルモン療法などの治療が選択されます。


前立腺がんの治療


前立腺癌の治療には、治療を行わず経過を見る「PSA監視療法」、完治を目指して行われる「手術療法」「放射線療法」、 癌の進行を抑える目的で行われる「ホルモン(内分泌)療法」「化学療法」、進行した癌による苦痛を取り除く「緩和医療」があります。 低リスクの前立腺癌には非常に進行が遅く、生命に影響を及ぼさないと考えられるものがあり、無治療で経過観察することもできます。 前立腺癌が前立腺の中にとどまっていれば、完治を目指す手術療法や放射線療法などの治療を行うことができます。 また手術や放射線照射を希望しない方には、癌の進行を抑える治療を行うこともできます。 このように、早期であるほど、治療の選択肢が広がるといえます。 一方、癌が前立腺の外まで拡がっている場合は、完治を目指すことが難しくなります。 ホルモン療法や化学療法で、癌の進行を抑える治療を行います。 治療方針は、癌の進行度や悪性度、PSA値、患者さんの年齢(期待余命)、 健康状態、人生設計、家族の受け入れ態勢など、さまざまな条件を考慮して選択されますが、 患者さんの意志が第一に優先されることはいうまでもありません。 医師とよく相談し、納得した上で、自分にとって最良の治療を選択することが大切です。


1.手術療法
当院では、標準的外科治療:恥骨後式前立腺全摘術を行っています。 その他、前立腺癌の外科治療では、一般に出血が少なく、傷口の回復も早い腹腔鏡手術や、 また、立体視できる画像と精緻な操作のできるロボット支援下の手術が平成24年度から保険診療の対象になり、 急速に普及していますので、患者さんの希望により、それらの治療が可能な病院への紹介をしています。 それぞれに長所・短所があるので、よく医師と相談し選択することが重要です。術後2週間前後で退院が可能です。 副作用として、尿失禁と性機能(勃起・射精)の障害が起こることがあります。癌の状態によっては勃起に関わる神経を温存することも可能です。


2.放射線治療
前立腺癌に対する放射線治療としては、内照射と外照射の治療があります。 内照射は小さな線源(放射線を出す小さな金属)を前立腺内に留置するため「小線源療法」ともいいます。 現在一般的なのは、ヨウ素125を用い、永久的に前立腺に留置する方法です。 当院では行っていないため、患者さんの希望に応じて、治療可能な施設へ紹介しています。 当院では、外照射治療となるIMRT(強度変調放射線治療)を行っています。 放射線を照射する範囲や角度を細かく調整することにより、副作用の出やすい直腸や膀胱などの周辺臓器への影響を極力抑える治療となっています。 排便や排尿の障害の副作用が出ることがありますが、以前の放射線治療と比べて、技術の進歩とともに有効性や安全性は高まっています。 週5日、1日1回照射して、合計74Gy:37回照射する必要があります。外来通院での対応も可能です。 放射線療法の副作用には、治療中~治療直後(早期)に現れるものと、治療後半年以降(晩期)に現れるものがあります。 早期の副作用は、排尿障害(頻尿、排尿痛、残尿感、排尿困難など)、排便障害などです。これらは時間が経つにつれて(通常1~3か月)おさまります。 晩期の副作用は、起こる時期や頻度に個人差がありますが、主な症状は血尿、血便(直腸出血)、勃起障害などです。
前立腺がんの放射線治療は、隣接する脳神経・放射線科クリニックで行っております。 治療の詳細は、下記のページを参照してください。

前立腺がんの放射線治療はここをクリック

3.ホルモン(内分泌)療法
前立腺癌は、男性ホルモンの影響を受けて増殖・進行するという性質を持っています。 男性ホルモンは、95%が精巣(睾丸)から、5%が副腎から分泌されています。 ホルモン療法は、この男性ホルモンの分泌を下記のようなさまざまな方法で制御することによってがんの増殖・進行を抑えます。 前立腺癌の薬物療法でまず行われるのは、ホルモン(内分泌)療法です。 ホルモン療法は、当初はほぼ全例に奏効しますが、約半数は数年の経過において、効果がみられなくなり、 癌細胞が再び活発に増殖をはじめる再燃がみられることがあります。

(1)薬物による去勢療法
薬の作用で男性ホルモンの分泌を抑える方法

(2) 低位精巣摘出術(除睾術)
手術で精巣(睾丸)を除去する方法 当院でも5日間前後の入院で手術をしています。 男性ホルモンが低下することから、性欲の低下、勃起障害、女性の更年期障害のような症状(顔面のほてり、のぼせ、発汗、疲れやすいなど)、乳房の膨大、乳房痛などが副作用として起こることがあります。この治療法は、続けていくうちに癌が男性ホルモンの少ない環境でも増殖・進行するようになる(耐性化)という問題点があり、その際は薬をかえたり、治療法をかえたりして対処することになります。 ホルモン療法の効果があまり得られない時や、効果がなくなった時は、抗癌剤による化学療法行う場合があります。


4.化学療法
ホルモン療法で再燃がみられた時や、ホルモン療法の効果が芳しくない時は、単独あるいはいくつかの抗癌剤を使った化学療法を行います。 タキサン系の抗癌剤の中に前立腺がんに有効であることが証明されているものがあります。 また、ステロイド薬とあわせて使われることもあります。 当院では、ドセタキセルによる抗癌剤治療も行っており、さらにここ2~3年前より使用されるようになった新規前立腺癌治療薬も使用しています。
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