2014年4月29日 尿路結石について
◆尿路結石とは
尿中のカルシウム、マグネシウム、尿酸などが腎臓で結石をなり、尿管や膀胱などにつまって
激しい痛みをおこす病気です。
◆尿路結石の症状
腎結石は一般に症状は起きませんが尿管に結石が落下すると脇腹の激痛や吐き気、膀胱炎の症状、時には発熱などの症状が出ます。
自覚症状は「疝痛発作」と呼ばれる激痛が特徴的です。
冷汗、吐き気を伴うこともあり、胃腸の病気と勘違いすることもあります。
あるいはまったく自覚症状がないとか鈍い痛みだけのこともありこれを「サイレントストーン
(沈黙の石)」と呼びます。
症状の違いは結石の大きさや存在している場所の違いによります。
七転八倒の痛みがあるときは「腎杯頚部」「腎盂尿管移行部」「尿管」などの狭いところに結石が詰まって尿の流れを阻害している可能性があります。
痛みは腎臓のある背部から脇腹、下腹郡へと拡がりますがしばらくして治る場合があります。
また男性では精巣、女性では外陰部にも痛みを感じることがあります。
さらに尿路の粘膜が結石によって傷ついた場合には血尿が出たり膀胱にある場合には頻尿や残尿感があります。
結石が「腎盂・腎杯」に留まっている時は痛みは無いか、あっても鈍痛程度となります。
しかしここで結石がサンゴ状結石のように大きくなりすぎ、「水腎症」など腎臓が機能しなくなるなどの合併症を引き起こすこともあります。
顕微鏡検査では血尿がほぼ全ての方に認められます。
また結石、特に感染結石により尿流の通過障害があると、腎盂腎炎から「敗血症」という怖い病気を誘発しますから速やかに医師と相談してください。
◆尿路結石の治療
ESWL (体外式衝撃波結石破砕術)
体外より衝撃派を結石に当て砕く方法です。
音波の一種である衝撃波を体の外から結石に向けて照射し筋肉や他の臓器を傷つけることなく結石のみを細かく破砕する治療です。
砂状に破砕された結石は尿と共に自然に体外に排出されその後の副作用や後遺症も少なく現在では結石治療の第一選択肢となっています。
内視鏡を利用しない術式であるため内視鏡では届かない結石の破砕に有用です。
衝撃波により結石を破砕することができない場合は、尿管鏡による破砕を行います。
ESWLは麻酔を必要としないことや、術後に尿道の確保のための管の装着が必要なくなり入院日数も少ない手術です。
尿管鏡による破砕術
結石まで内視鏡を利用し、 レーザーで石を破砕します。
腎破裂などの副作用はなく尿管結石に特に有用です。
内視鏡を利用するため術中の結石破砕状況を視覚的に診断できる利点がります。
尿管が狭い場合極端に腎臓が腫れている場合腎臓の形が複雑な場合などは手術が難しいことがありますので、医師にご相談ください。