2014年4月29日 前立腺がんについて
◆前立腺がんとは
前立腺がんとは前立腺の中にがん細胞が発見される病気です。
欧米では前立腺がんは男性のがんの中で最も頻度が高い疾患です。
食生活の欧米化や高年齢化により日本においても頻度が高いがんとなっています。
初期段階では、無症状なことが多く気付かないうちに進行していることがあるため
50歳を過ぎましたら前立腺癌のチェックが必要になります。
米国における癌の部位別罹患率(男女;1997年)
がん種別患者予測数
◆前立腺がんの症状
早期がん
無症状
前立腺肥大症と同じような症状が出現
尿が出にくい
残尿感がある
排尿時に痛みが伴う
尿や精液に血が混じる
骨転位に伴い腰痛などに痛みがでてくる。
腰痛などの痛み
◆前立腺がんの検査
①スクリーニング検査
血液検査 (PSA)
血液検査で腫瘍マーカーを検出します。
簡便であることと、高い精度で検査することが可能です。
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直腸診 (触診)
肛門から指を入れての診察です。
②確定診断 (病理診断)
前立腺生検
がんを確定するための検査となります。
エコーガイドの下に前立腺組織を採取し、癌細胞の有無を確認します。
麻酔を利用しますので、痛みは伴いません。
③病期診断
がんの進行度や広がりを確認するための検査となります。
MRI / CT
骨シンチグラフィー
◆前立腺がんの治療
①局所療法
放射線療法 (強度変調放射線治療、体外照射、小線源療法など)
放射線を照射して、がん細胞を死滅させる治療です。
手術に比べて身体的な負担が少なく、手術が難しい高齢の患者様でも治療を選択することが
可能です。
痛みなどの症状緩和を目的として治療することもあります。
放射線の強度を変えて照射する高度変調放射線治療(IMRT)により、直腸などへの合併症を
抑えることができるようになってきました。
同法人の脳神経・放射線科クリニックにて、前立腺がんの強度変調放射線治療(IMRT)を
行っております。
2008年より、高度先進医療から保険適用が認められ治療を受けやすくなりました。
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前立腺がん放射線治療の動画 ———-→ クリック
根治的前立腺全摘出術
お腹を回復して前立腺の摘出を行う治療です。
根治的な手術として、以前より行われている治療です。
当院では、根治的前立腺全摘出術を行っております。
放射線療法の治療を含め、病気の症状によって治療を選択することが可能
となっております。
②全身療法
内分泌療法
男性ホルモンの働きを抑えて、前立腺がん細胞の増殖を抑制する”全身的”な治療法です。
身体への負担が比較的少なく、多くの患者様に有効です。
進行がんには、年齢にかかわらず第一選択となります。
化学療法
抗がん剤を用いてがん細胞を攻撃し、死滅させる治療法です。
一般的に前立腺がんにおける化学療法は、他の治療法では効果が得られない進行したがんに
対して行われます。